バイクと平成仮面ライダーのおはなし

バイクと平成仮面ライダーのおはなしへようこそ

皆さんはバイクと聞いて何を想像するでしょうか? 勿論それは人によって様々な物を想像するかと思いますが、特に男性の多くは、仮面ライダーを想像したという人も中には多いのではないでしょうか? このサイトではそんな仮面ライダーとバイクに関するおはなしを、改正された道路交通法の観点や、作品として撮影する上でどのような事が行われているのかという視点などから、バイクを絡めて面白おかしく紹介していきます。また、これから平成ライダーを見る人にオススメな2作品についても詳しく紹介していきます。

バイクと平成仮面ライダーのおはなし

懐かしの初代仮面ライダー

仮面ライダークウガの魅力

平成ライダーを語る上では欠かせない作品

 『仮面ライダークウガ』は、2000年1月30日から2001年1月21日までの間、テレビ朝日系で毎週日曜8:00-8:30に放映されていた特撮テレビドラマ作品でした。この作品ですが当時は非常にセンセーショナルな内容過ぎて物議をかもしたり、また暴力描写やホラー描写が凄いので、抗議の電話が多数入ったなどということがある一方で、ニチアサの仮面ライダーは子供よりも大人が楽しめるというイメージを決定的に印象付けた作品となりました。

今までの世界観は引き継がない

 昭和仮面ライダーシリーズから続いていた世界観に関しては、このクウガにおいては引き継がれていませんでした。一部のオマージュや台詞の一部の盛り込まれているものがあるいっぽうで、「仮面ライダーは改造人間」や「世界の支配を目的とした悪の組織」、「戦闘員」等の設定がなくなり、また劇中で「仮面ライダー」という名称が用いられず、更に、医療技術の進歩によって臓器移植手術等が多く行われるようになったことが考慮され、「改造人間」という表現には抵抗があったことからも、発掘された特殊な力を持つベルトによってという新設定となっておりました。

歴代!仮面ライダーシリーズ

あまりにもリアリズム過ぎて苦情も

 本作品には従来の特撮ヒーロー番組にはなかった新たな試みが随所に見られます。身近な恐怖を演出するための現実感と、特撮ヒーロー番組にありがちだった矛盾点を解消させるための整合性を重視し、「グロンギ族は独自の言語と文化を持つ」、「クウガと警察が協力する」、「技名を叫ばない」等の設定が生まれました作劇においては、従来ではスポットの当たりにくかった「回を追うごとの周囲の人々の変化」や「社会におけるヒーローと悪の存在の認知の過程」が描かれる等、ヒーロードラマの視点だけではなく、一般ドラマの視点も重視しています。このため、1話30分以内では1エピソードを満足に描き切れないということで、基本的に前後編の「2話で1エピソード」というスタイルを取っています。このスタイルはより後の作品にも引き継がれた。

 商業面では変身ベルト等の人気で好成績を記録しましたが、ドラマ重視の作劇によって戦闘シーンが極めて短い回が多く、10月に発売されていたクウガの最終形態アルティメットフォームが、翌年1月の最終回になるまでの間本編に登場せず、しかもその出番もわずかだという問題もおこりました。また、その最終話の前の話にて、主人公が一方的に怪人を殴り切り刻むシーンなどがあり、子供達の間でも、正義とは何なのかという思いにかられていたこともあってか「アルティメットフォーム超カッケー」という風に素直に喜ぶ子供達は殆どいないという、とてつもなく異例の状態へと突き進んでいました。

 また、最終回(第49話)ではAパートとBパートの間にCMを挟まずにEDまで放送した上に、変身後の主役ヒーローの登場や戦闘シーンが存在せず、主人公、五代雄介の出番も殆ど一瞬しかないというカブキっぷりです。これは元々主人公が正義の味方として暴力を奮ったバツとして死ぬという展開に元々はなるはずだったものを改変したものらしいですが、最終話を含めて、カッコよさからストーリーから、ドラマの展開まですべてにおいて次代の最先端を走って行っている番組になっていました。

社会派の作品でもある

 本作品もヒーローと怪人の戦いを描いていますが、同時に「怪人出現という事件の起きた時代を捉えたドキュメンタリー」の様相も帯びています。怪人への恐怖が社会に蔓延する中で「こんな時代に子供を産んでいいのか」という不安を抱く保育士、仕事に追われて息子の授業参観に行けず涙する研究者、TV批判を口にする教師等、ヒーロードラマという枠の内では解決しきれない問題を視聴者に投げかけています。30分番組の中で実社会を描くことには限界があるため、こうした個人の描写に社会の反応を集約させています。

オートバイスタントも凄い!

 また本作の魅力の一つは、なんといってもオートバイスタントにトライアル元全日本チャンピオン・成田匠が参加しているということです。これまでは室町レーシングやスリーチェイス等のカースタントチームが参加していたそうですが、「本物のオートバイ競技のアクションを取り入れたらどうなるだろうか?」とのスタッフの意向で取り入れられたそうです。これが本当にかっこよく、従来のアクション作品には無いような、ウィリーによる「前輪パンチ」やジャックナイフによる、「後輪キック」などといったトライアルを応用したダイナミックなアクションが繰り広げられ、これまでのバイクバトルとは全く違ったものとなっておりました。

あらすじ

 西暦2000年。長野県山中の九郎ヶ岳で謎の遺跡が発掘され、棺の蓋を開けたことで目覚めた謎の存在によって、夏目幸吉教授らの調査団は全滅させられてしまいます。これの捜査に当たった長野県警刑事・一条薫の前は五代雄介と名乗る冒険家の青年と出会い、雄介はそこで見せてもらった証拠品のベルト状の遺物から、戦士のイメージを感じ取ります。

 ズ・グムン・バという怪人に遭遇した雄介は、咄嗟の判断でベルトを装着して戦士クウガに変身。そして、人々の笑顔を守るために怪人たちと戦うことを決意するという修羅の道へとつながっていくのでした。

 その後、クウガと怪人たち=グロンギは「未確認生命体」と呼ばれ、人々に認知されていくこととなります。

アノ俳優は仮面ライダーだった!?

総評

 この作品の中で特に印象となっているシーンの一つですが、物語の終盤で登場した「狂気染みた快楽殺人怪人」であるジャラジが、ある少年を襲おうとした際に、主人公である五代雄介が激昂、クウガに変身しタックルすると、そのままマウントポジションで殴り続け、口から血を吐きながら怪人は逃げようとしますが、それを無理やり捕まえパンチの雨を浴びせ、必死に顔を守ろうとする怪人を更に殴り続ます。さらにそのままビートゴウラムという主人公の乗り物によって、海岸へと運ばれ、タイタンフォームに変身した主人公により、ライジングタイタンソードで一方的にめった切りにされ、最後はトドメと言わんばかりにソードを突き立てられて爆死するというシーンがあるのです。

 朝の八時に放映するにはあまりにも、衝撃的過ぎる内容で、普通ヒーロー物と言えば、「ヒーロー負けるな! 頑張れ!」と子供が応援するような感じになりますが、このシーンを見たら恐らくは絶句です。勿論怪人に対して慈悲の心は全くわきませんでしたが、現実の正義の味方ってこうなんだぞとつきつけられた思いでした。

 確かにジャラジと呼ばれている怪人は外道な快楽殺人犯である上に、非常に恐ろしくホラーかつ残酷な手法によって人を殺すのですが、それ以上に怒りに任せて敵を殴り続け、敵怪人を切り刻み、トドメの突き刺すクウガの非情さに対してそれ以上の恐怖感を覚えた記憶があります。怒りに任せて敵を倒すシーンは後にも先にもこれっきりなのですが、怒りにまかせ、一方的に殴る、その姿を見て戦いと暴力の違いとは一体何なのかと考えさせられました。

 特に主人公は幼稚園でクウガの真似をして暴力を奮った少年に対して「暴力はいけない。ちゃんと言葉でわかりあわなきゃ」という風に言っています。そんな分かり合える者がいる一方で、決して分かり合えない怪人に対して暴力に頼らざるを得ない、怪人も人間も流すのは同じ赤い血だという事になんとも言えない皮肉を感じ、ある種の切なさすら感じさせられる作品ともなっておりました。